パリのレストラン


2001年6月のメニューは、5月にパリで頂いた料理を元に組み立てました。
感動した料理やマズイと思った料理まで色々でしたが、それらを発想のヒントにして
こちらの素材で作ってみたら、こんな風になりました。
ぜひ、ご一緒にパリ食べ歩きをお楽しみになって下さい。


夏野菜のテリーヌ、トマトのクーリ添え

カフェでの気軽なランチ
サンジェルマンのデパート、ポンマルシェで買い物をして、軽いお昼ご飯をとそのあたりで適当に入った「バビロン」というカフェで。大通りの角のためか、中も外も老若男女で満席の賑わい。外の席に腰をおろしてメニューをもらう。チーズとハムのタルト、サラダ添え(ワタシ)野菜のテリーヌ(ダンナ)それにグラスワインの赤とビール、水で簡単なランチ。ワタシの料理は結構美味しい。サラダのドレッシングもマスタードの辛味があって気に入ったけと゜、ダンナはテリーヌがマズイと文句たらたらであった。
それでは、帰国したら美味しいテリーヌを作ってね。
写真左はその昼食。手前がワタシの料理、奥がダンナのテリーヌである。
ルーコラと鮮魚のカルパチョ仕立て
エクルビスとインゲンのサラダ仕立て、
ソース・ナンチュア







ブラッスリーの店先に立つカザマシェフ
リヨン駅隣のホテルに宿泊したので、遅い時間に軽くという時に駅前のブラッスリー「ヨーロピアン」を利用した。ここは牡蠣やムール貝などの海の幸とアルザス料理のシュークルートが売り物みたい。店の前ではエカイエと呼ばれる牡蠣剥きのおじさん(左の写真後方の黄色い服のおじさん)がせっせと牡蠣を剥いていた。こんな時期でも牡蠣が食べられるのね。着いた晩早速牡蠣を食べるダンナであった。
牡蠣は小さくて丸い形。味は悪くないが、冬じゃないせいか身が薄くて物足りない。今度は真冬に来て食べなくてはっ。
エクルビスとインゲンのサラダ、ホワイトアスパラガスのエストラゴン風味のドレッシング、このふた皿の前菜はどちらも野菜がくたくたに茹でられ歯ごたえがなく、美味しくない。エクルビスとムール貝もあったが、カチカチに火が通って縮こまっている。これじゃあねえ。でも海老風味のナンチュアソースもアスパラのドレッシングも味付けは結構美味しいんだけど。残念である。このインゲンのサラダ、帰ったら美味しく作ってみようと思った。それから、鱈のカルパチョとルーコラの皿は、ルーコラの辛味が強くて美味しいが鱈は薄く切った身が皿の端の方では乾いて皿にくっついてしまっている。総じて雑な料理である。でも、気軽に食べられるし、内装は歴史(古さともいえるが)が感じられる美しいシャンデリアやステンドグラスが感じ良いのだけど。
ブラッスリー「ヨーロピアン」の店内
牛舌のラグウ、ジャガイモのダルファン添え








インターネットのパリの食べ歩きサイトで人気だった「ル・サフラン」というレストランに行ってみた。オペラ大通りのモノプリの裏あたり。オーナーシェフは女性である。とってもきさくな感じいい人なのだが・・。店名どおりサフラン始めハーブやスパイスの香りに凝っているようである。味付けはけっこう濃厚である。メインで選んだのは牛テールなのに牛舌の料理がきた。料理が違うと思うけど?と給仕のおじ様に聞くと、「マダムー!!」と厨房に飛んで行った。マダムが出てきて、しきりに謝るのだが、フランス語なので何を言ってるのか?!ダンナが言う。「きのう満席でテールが売り切れたのでって言ってるみたいだよ」ホントかー?そんなとこかも知れないが、だったらなんで注文した時に言わないか。日本人だから、尻尾も舌も区別がつかないだろうと甘くみたのかなー。で、言ったのよ、フランス語で。
「イレキュイジニエー、ジュスュイソムリエール!」彼はコックでワタシはソムリエよっ。そんな事があったのではあるが、ホントここのマダムも給仕のおじ様も良い人たちで、なかなか楽しいひと時をすごせたのであった。

左は「ル・サフラン」にて
下の写真はカザマシェフ作の「牛舌のラグウ」。
牛舌のラグウ、ジャガイモのダルファン添え
平目のポワレ、ウニと貝類のソース
若鶏手羽元のグリエ、ソース・バルサミコ


サンジェルマン大通の始まり近くにある、ビストロ「コート・メール」で。魚料理がお得意だそう。間口の狭いウナギの寝床みたいな気取りのないお店。後から後からお客がやってきてここも満席で大賑わい。店員さんも大わらわで、料理は遅いしやっと来たと思えば間違ってるし、結構散々な目に。お味も塩がきつかったり、魚に火が通し過ぎだったり、感心するほどでもなし。
隣のテーブルとの間隔がきちきちで、いかにもビストロのイメージ。お客さんたちはそれぞれ盛り上がって楽しそうだったね。
長海老のパネ、カレー風味、サラダ添え
温かいフィユテとホワイトアスパラガス、
キャヴィア・ソース
仔鴨のロースト、ラ・トゥール・ダルジャンの想い出

この料理は「ラ・トゥール・ダルジャン」にてダンナがとった前菜。真中にコンモリとチコレのサラダがありその周りにプックリした手長海老のパネ、パン粉をつけて焼いたものがいくつか置かれていかにもダンナ好みな前菜だ。
ワタシはホワイトアスパラガスとパイの前菜。ブラッスリーのくたくたアスパラとは雲泥の差のシャキシャキと歯ごたえのある旨ーいアスパラに大満足だ。添えてあるキャヴィアだがなんとこれはニシンのキャヴィア、つまり数の子だが、みかけはキャヴィアと同じだが触感がちょっと違う感じ。美味しかった。
メインはやはり鴨料理を選んだ。期待した鴨だったが、やや火が入りすぎて、固くなってしまっていた。悲しい。
だが、しかしここのランチはお徳だ。一人390FFである。そして飲み頃のワインがゴロゴロあるワインリストもさすがである。ソムリエ氏に勧められたAloxe Corton Les Caillettes (Juillot)'85は660FFだった。美味しいワインを飲みに行くつもりで行ってもいいくらい素敵なランチである。
仔羊のロースト、椎茸と茄子のギャレット仕立て、
甘いポテトのピュレ添え












ミシュランの星みっつを持つ「ピエール・ガニエール」である。凱旋門に近い、シャンゼリゼ通から少し入った所にあるホテル・バルザックの中にある。モダンでシックな内装の素敵なお店だ。美人でシックなマダム・ガニエールが素敵な笑顔でご挨拶にきてくださった。
ここのムニュ・マルシェ(ランチコース)もなかなかお徳。一人520FF。前菜、主采、チーズ、デザート。だが、前菜の前に有名な華麗なるアミューズブーシュが5品くらい並べられる。ひとつひとつの非凡な発想に感嘆させられる。凄いなあ、ムッシュ・ガニエールはやっぱり天才だわ!
前菜は手長海老のフランといったもの。洋風茶碗蒸のような中に温泉卵みたいな黄身とプリプリ手長海老がいくつか埋まっていて、上に鮮やかな緑色の野菜のピュレがひゅひゅっとかけられて、それはそれは美しい黄色とオレンジと緑の色彩だった。美味しくて美味しくて、本当に素敵な皿だった。しかし、この料理は設備的にも当店ではとても再現しがたい、残念。
メインの仔羊のもも肉のローストも美味しかった。臭みのまったくない上品な味わい。付け合せのひとつは椎茸。運んでくれたハンサムなギャルソンが日本語で「シイタケ」とにこにこしながら教えてくれた。他にも海苔とか、日本の食材が使われていた。ひょっとしたらソイソースも使ってたかも。
チーズのワゴンは3台も来た。嬉しい。さすがにシェーヴル(山羊乳チーズのこと)の季節、これだけでワゴン1台分あった。でもお腹一杯でウオッシュタイプのスーマントランと山羊のクロタンを一切れずつだけ頂いた。
そしてデザートも、ああ、またも数品が繰り広げられた。美しい、美味しい、でももう入らない〜。こんなに悲しくて悔しい事があるだろうか。この時ばかりは「大食いチャンピォン」のような胃袋が欲しいと切に願ったワタシであった。